とある漫画家志望者だった人について
長期スパンで知ってる話を。
とあるSNSに在籍してた頃、ある漫画家志望の男性(20代前半と思われる)が入って来た。
既に編集者付きで連載漫画家さんの所でアシスタントをしつつ、担当さんにネーム出しつつデビューを待つ段階みたいな感じだった。
アナログ漫画描きで誰に影響されたかが一発で分かる感じの絵柄だったものの、アナログでの実力はそこそこあったと思う。
影響を受けた漫画家のいる雑誌ではなくそれより劣る売り上げの雑誌に持ち込んで担当をゲットしてる部分で、したたかな奴だなという感じがしたし言動も自信にあふれた言動をする奴だった。
描く漫画の内容は知らないけど、それが良ければデビューも目前って感じだったので、自信があって当然だと思う。ただ言動からして、そこまで面白い作品が描けるかと言えば何か描けそうもないなとも思った。
その後数年で連載をゲットしてデビューしたものの、人気が勝ち取れず単行本は出せたもののその後は音沙汰がない。Twitterで確認するとまだ漫画業界にはいそうである。
件のSNSで聞いた話では、全く実績のない漫画家よりも下手にあまり良くない実績がある漫画家の方が使いにくいそうだ。
単行本は出した事はあるがその後全く連載を取れない、そういう人は出してない人よりも負の実績で次が取りづらいんだそう。
多分今の漫画業界、編集に関してもサラリーマン編集が多く、漫画家と上手く合致して人気作品を世に出せる編集ってあまりいないんだろうなって思う。
まずは体裁が整ってれば担当が付き、ネームを添削し編集会議にだして、まあやってみるかで連載になるんだろう。
多分面白い漫画ってのはその段階で分かるもんかもだけど、何が当たるか分からないってのもあるから一応やらせてはくれる。
でもそのチャンスをきちんと掴まなければ先はない。
仕事と言うのは一般的に長くやってる事でその後も決まって行く。
もちろん意思が強く他にやりたい事があっての転職なら別だけど、それ以外は慣れたスキルを使うものがあてがわれる。
だから特殊な業界に入ってしまうとそこから芽が出るか、出なかった場合はその後どうするか、結構大変だと思う。
これが普通のサラリーマンやOLとなると、やはり同じような業種になるとは思うが特殊なものに比べて雇用も結構ある。
特殊であればあるほど他には行けないし、だとして一発当ててもおらずかと言って新人でもないとなればどうなるんだろう。
またそういう人は多分たくさんいる。
上記の男性も今や結構な年齢だ。
きちんと連載をこなしていれば中堅位の年齢になっている。
けれどそうはなっていない。
やって来ていると思われるのはプロアシだけなのではと思う。
当時、計算し雑誌のレベルも落として自分の第一希望の雑誌でなくデビューしやすい所に持ち込んだだろうに、この状況である。
彼は本当にそれで良かったんだろうか?
でも希望の雑誌はもっともっと難易度が高く、同じものを連載という風にはならなかった(面白くなくて没だったろうから)とは思うが、一番の雑誌でデビューして他の雑誌で活躍してる人はとても多い。
人生ってままならないものだなって思いつつも、その人のやり方があまり真摯じゃなかったのでしゃーないかとも思う。