好きなものを作る
前にも書いたかなと思うけど、絵に触れる機会が多いのでその話を。
今の人というとぼんやりなので30代前後からそれよりも若くって絵を仕事にしてる人やしようとしてる人のポートフォリオの感想。
まずポートフォリオなので『こんなのも描けますよ』というので描いちゃってるので、その人の一番好きなものを描いてなかったりが多い。
あるいは漠然と絵を描くのは好きだけどこだわりとかが感じられない。
平均にそこそこ上手い所を見せようという感がプンプンするんだけど、そういうのだと見てるこっちはつまらない訳で。
もちろんある程度の技量は大事だと思う。
でもある程度の技量なんて、それでお金をもらおうと思ったら当然の技量なのである。
そしてそこそこ以上描けている人であっても、こちらに提示されたものは表面だけ取り繕ったものや、『以前こんな作品を世に出しました』というもの。
もちろん過去作品、参加して商売になったものってのも大事だと思う。
実際人事の所に絵を見る目のない人だったら、参加した作品の認知度で取る可能性は高い。
でも、そこでもデザイナーがいて、ちゃんと見る目のある人がいたら、そんなものよりもその人の武器を見たくなる。
でもこれを描いて提出してくる人がほぼいない。
当たり障りのない、男女どっちも描いて、ファンタジーとかも描いて……って感じ。
男性なら女性だけとかもあるだろうけど、それでもまあこっちは困ったりする。
女子だけ描けるとかあまりにも使いようがない。
それでも必要な所はあるけど、何でも描ける方が良いし、男性であればカッコイイ男性を描ける方がぐっと使い道が上がる。女性しか描けないなら、他の人が絶対描けないものを描けなければならないと思う。
女性は逆で、一応女性キャラを描いてくるんだけど、メッチャクチャ何にも力が入ってない。好きじゃない、一応描けるけど熱意はありませんってわざわざ言ってるようなもので、そんなのこっちだって見たくないよ。
描いて見せるならちゃんとこだわりを持って、女子のここが見せたい、男子ならこれがたまらないという部分をちゃんと持ったり、あるいはシュチュやコスや部分とかね、そこを延々と語れるぐらいのこだわりが入ってない絵を出されてもこっちは却下ってなる。
これは漫画とかも同じ事だと思う。
若い人の投稿作品見ると、なーんかウケ狙いで自分が本当にそれを好きなのって感じの作品が多い。
自分が思い入れてないものなんて誰の心にも刺さらないよ。
だってそれを見てる、審査する人間はあなたよりもずっと多くの年齢を生きている訳で、その分たくさんの蓄積があるので、前にも誰かので見たとか何かの作品をちょっと変えてみただと全く印象に残らない。
ただ、前にもあったとか何かに似てるはあっても、その人がそれをものすごく好きで、ものすごく拘ってれば誰かの作品とは別物になる。
そういう拘りが、絵にも漫画にもないなあって、いやもしかするあるのかもしれないけども、それを全然出して来ないなって。
出さないとこっちも分からないからね。
ちゃんと出すように。
これ20代位の人だと、誰かに言われたら何か上手く作用して何とかなる可能性もあるんだけど、もう結構年齢がいっちゃうと人の言う事を聞かないので無理っぽい。
クリエイターは年齢関係ないって言うけども、ちゃんと吸収して出してを繰り返せる人でないと若かろうが年取ってようがダメなのだ。